芸ならぬ「指圧の肥やし」

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一生、一人で生きて行けるようにと指圧の道に入りました。
当時は「会社に縛られなくても好きな時に海外をぶらっと旅できる職業」と安易に思ったからです。
決して世のため人のために、とか高尚な志があったわけではありません。
また、幸か不幸かそれまで自分自身いたって健康で腰痛も肩こりも知りませんでした。
ただ一人暮らしの不安感から常にいくつものアルバイトを掛け持ちして馬車馬のように働き、僅かながら貯金する生活を続けていました。
それがたたったのか指圧学校を卒業するころに酷いぎっくり腰になりました。
まるで他人の痛みを知らしめようと神様が私に与えて下さった機会でしょうか?
おかげで経験者ならではの辛さを知ることができました。そして、その痛みを取り除くとはどれほどありがたいことであるかも。
人は痛い目に合わないとなかなか真剣に向き合うことがありませんし、反省も性根に入りません。
今となっては自分のどんな痛みも指圧をする上での肥やしとなっています。
決して痛いのが好きなわけではないのですが(笑)、「治る病やケガには全部なっておいた方が良い」とはこの業界ならではの真理かもしれません。