だからそんなに悲しくない

余命わずか、と医師に宣告された方がいます。
頻繁ではありませんが、お互い本当の一期一会を意識して毎回会います。
その方の口から出るのはいつも感謝の言葉。
今日お見舞いに行くと、やおらベッドから起き上がり両手で握手。
ろくに食事もできず、背中も痛いのに。
一人暮らしの寒い部屋から病院へ。
点滴と温かい部屋とイザという時の看護師さん。
あんなに嫌がっていた入院なのに、結果として今は本人も周囲もそれがどれほどありがたいものか身に染みています。
感謝を表し、楽しかった思い出を語り、そして「もう思い残すことはないよ」と静かに言いました。
いつかはだれでも旅立つものだから、いつかはあちらでまた会えるから、心配しなくていい、怖がらなくてもいい。
言葉では言えないけど、心を込めて握手してきました。