無謀ソロツリーング58-1992年

Cajonで給油、LAまであと100mileと言われた。
多分100mileもないはず、と思いつつ喜びながら走る。
LA73mile、LA68mile、近づくのが嬉しい。
SAN BARNARDINO辺りから突然、前方がスモッグになって、呆気にとられる。
荒涼とした暑い暑い砂の山々に生えるカビのようなサボテン風景とは別世界。
人間が発展してゆくとはこういうことなのかなあ、と考えた。
ショックだった。
見渡せていた風景がまるで見えない、高い建物もないのに、だ。
薄黄色、薄茶色がかった霧のようなスモッグの中にたくさんの車が入って行く。
自分も入ってゆかねばならない。
LAにいたのは5~6月、気づかなかったのは夏じゃなかったから?
それとも比べられなかったから?
何しろあれほど遠くまで見えていた風景がすぐそこしか分からない。
様々な街の名前がサインボードに出ては過ぎて行く。
Californiaらしいパームツリーが並ぶストリートが見え始めた。