普通の生活に感謝して生きる

TS3W1110
今朝のテレビ番組で興味深い話題を取り上げていました。
年収1100万円の大手百貨店勤務だったある男性が、ホームレス、生活保護受給者になるまでのお話です。
この方は独身でご両親の介護のためにやむなく会社を休職しましたが、長い間休職が続いたため職場にいづらくなり退職。
そしてご両親ともお亡くなりになり、ようやく社会復帰した会社は5年後に経営不振で倒産。
それからは年齢の問題で少ない収入しかなく、やがて家賃を払えなくなったのでホームレスに。
たしか、「片方の肩に母の遺骨、もう片方の肩には母の飼っていた猫を袋に入れたのをしょってアパートを出た」とおっしゃっていました。
その時の所持金は15000円とか。
人目につかない深夜1時ころ、公園の遊具の上で寝泊りし、雨が降る日は地下道でしのぐ生活。
そんなある時に夜回りをしている方から生活保護を受けるように勧められ、現在社会復帰していらっしゃるとのことでした。
「ご飯が食べられるということは、ありがたいことだ」
と市販の惣菜パックを召し上がりながら、しみじみおっしゃっていました。
「年収1100万からホームレス」の、その落差に衝撃がありますが、
実はこんなことはよほどの資産家でない限り、誰にでも起き得ることだと番組で締めくくっていました。
そのきっかけは介護だけではなく、怪我や病気、ちょっとしたことで同じ道をたどる方は現在少なくないようです。
生活保護が本当に必要な方のためだけに、年齢に関係なく有用に使われることを願いますが、
会社側も休職せざるをえない事情をあたたかく見守ることができる状況になったらいいなあ、と思います。
インタビューに答えていらっしゃる男性の話し方、服装もきちんとされて、住まいも独身男性として十分のお住まい。
この方に相応しいきちんとした生活ぶりがうかがえてホッとしました。
人生の苦境においても「母の遺骨と猫をしょって出て行く」という誠実で優しい心を忘れない人であったからこそ、
そういった人格がその方自身の人生を救ったのだということを感じさせてくれる番組でした。
自業自得というと悪い意味で使われることが多いですが、私もこの方の様に良い自業自得を育んでいきたいと思います。